ロックダウンが終了したのにわくわくしない。むしろ不安だ。何でだろう。私おかしいのかな。
そう感じている人はいませんか。
それはおかしい感覚ではありません。
ロックダウン下の生活が日常になっていたので、それが突然終わったときに、「前と同じようにどうやって戻るの?」「いい生活になるの?」「何か上手くいかないのでは?」「何かで傷つくかもしれない」と感じることは普通かもしれません。
時間をかけましょう。
無理して計画を立てて、今までできなかったことを詰め込む必要はないのです。
他人と比較せず、自分のペースで。
また、”ロックダウン疲れ”(lockdown fatigue)、はロックダウンが明けたからといって、すぐに無くなるものでもありません。
したいことがずっとできなかったこと、警戒し続けることへの疲れ、仕事や金銭面で見通しが持てない不安、人とのかかわりから遠ざかっていたこと、仕事と子育て/ホームラーニングの両立、COVID関連ニュースのシャワー、COVID後の世界への不安、自国に帰れないホームシック。
また、未だ残念ながら感染者数は一定数あり、自己隔離をする必要性が出てきたり、ワクチン接種の対象年齢に満たないお子さんがいたら、不安が継続する人も多いでしょう。
これらは、自分でも気付かないうちに、心の疲れとして蓄積しています。
すると、イライラしやすくなったり、悲しみや気分の低下、漠然とした不安感、疲労感や燃え尽き症候群、集中や決断が難しくなったりする形で現れます。やる気が出なかったり、以前楽しんでいたことが楽しいと思えなくなったり、ネガティブな思考から抜け出せなくなる人もいるかもしれません。睡眠への影響や、食べ過ぎ・飲酒量の増加という行動面での変化もあり得ます。
そんな時にできることは何でしょうか。
自分はダメだと批判的になるのではなく、自分の気持ちを認めて、自分に(そして他人に)優しくなりましょう。疲れていたり、活動的でなかったり、短気になりがちな自分がいても、受け入れましょう。
日々のルーティンを作り、できる限り従いましょう。睡眠、食事、仕事、運動、ブレイクなど、パターンはありますか。なるべく同じ時間に就寝や食事を、就寝前はオフラインに。栄養のあるものを食べ、定期的な運動や散歩をし、十分な睡眠を確保して、自分のメンテナンスをしっかりしましょう。
リラックスする時間を持ちましょう。ブレイクの時間はどんな忙しい人でも必要です。短時間でも時間を確保しましょう。音楽、読書、運動、散歩、映画、ガーデニング、ヨガや瞑想、ゲームやパズル、ハーブティー、湯船に浸かるetc 自分が楽しめるものなら何でもいいのです。
人とのつながりを持つ。友達や同僚、家族と直接会ったり、電話で話したりしましょう。人間は、社会的動物なので、一人では生きていけません。人と会ったり、出かけるのは、自分の気持ちに従って、焦らず、でも徐々に。
自分がコントロールできること、今に集中する。ロックダウンが明けたからと言って、完全にコロナ以前の生活に戻ったわけではなく、今後の心配や不安が拭えない人もいるでしょう。そんな人は、今この時間、今日1日、自分ができることになるべく意識を向けてみましょう。
最近カウンセリングをしていて、大小多くの変化を経験し、無意識にストレスが蓄積して、生活の様々な場面に影響が出ている人が多いと感じます。頑張りすぎることなく、自分の心は今どうか、ぜひ見つめてみて下さい。
豪州カウンセリング協会 カウンセラー 山口 泉
Comments